Stanwell(スタンウェル)とは?デンマークを代表するパイプブランドをたどる

こんにちは。喫煙具専門買取店 パイプのけむり の長尾です。

先日、Stanwell(スタンウェル)のパイプを2点、お買取りする機会がありました。「FEATHERWEIGHT DANISH DESIGN 304」と「Danish Design de Luxe 191」という2本で、デンマークのパイプらしい柔らかな曲線を持つお品物でした。

Stanwellは査定の場でもよく見かけるブランドですが、その成り立ちについてきちんと把握できていない部分もありました。そこで今回は、自分自身の勉強も兼ねて調べたことをまとめておきます。

「Danish Design」という刻印について

まず、Stanwellのシャンクには、「Danish Design」という刻印が入ったモデルが数多くあります。今回お預かりした2本にも、この刻印がありました。

Stanwellには「Royal Rouge」「Sterling」など、仕上げやグレードごとに名付けられたシリーズが数多くあり、「Danish Design」もそうしたシリーズ名のひとつと考えられます。そのため、「Danish Design」という刻印から「必ずデンマーク製」と考えてしまうのは早計かもしれません。後述の通り、Stanwellは2010年以降、生産拠点をイタリアに移しているとされており、この刻印だけで製造国を断定することはできない、と捉えたほうがよさそうです。

とはいえ、Stanwell自体はデンマーク発祥のブランドです。ここから順を追って見ていきます。

始まりは1942年、ブナ材のパイプから

Stanwellの歴史は、1942年、Poul Nielsen(ポール・ニールセン)という人物が興した「Kyringe(キューリンゲ)」というブランドに遡るとされています。

当時、第二次世界大戦の影響でブライヤー材の入手が難しく、デンマークで人気だったイギリス製ブライヤーパイプも品薄になっていました。この状況を受け、Nielsenはブナ材でパイプを作り始めます。

戦争が終わりブライヤーが入手できるようになると、Kyringeもブライヤーパイプの製造に切り替えます。しかし当時のデンマーク市場ではイギリス製パイプの人気が根強く、Nielsenは自社のブランド名をより英国風に改めることを考えます。

これが1948年、「Stanwell」という名前の誕生です。同年には商標としての登録も行われており(登録番号「969-48」)、この番号は長らく刻印にも使用されていました。興味深いのは、Nielsen自身が自分の姓を「Stanwell」に変えてしまった、と伝えられている点です。ブランドへの本気度がうかがえるエピソードです。

Sixten Ivarssonとの協業と「デニッシュ・デザイン」

Stanwellの名前を語るうえで欠かせないのが、デンマークを代表するパイプ作家Sixten Ivarsson(シクステン・イヴァーソン)との協業です。

Nielsenはイヴァーソンの手がける形状に着目し、量産向けのシェイプデザインを依頼するようになります。これによって、従来のイギリス系パイプにはなかった柔らかな曲線と機能性を備えた、いわゆる「デニッシュ・デザイン」のパイプが、工場生産のラインに乗ることになりました。

この協業はイヴァーソン一代にとどまらず、その後もJess Chonowitsch、Anne Julie、Tom Eltang、S.Bangといったデンマークを代表するパイプ作家たちがStanwellのシェイプデザインに関わっています。今回お買取りした「Danish Design de Luxe 191」も、Tom Eltangが手がけたシェイプとして知られる一本です。

個人の工房では難しい量産体制と、著名作家によるデザインを組み合わせたという点が、Stanwellというブランドの大きな特徴だといえそうです。

Borup工場の時代と、生産拠点の変化

Stanwellの工場は、1960年代にコペンハーゲン郊外のBorup(ボーロップ)という町に移されたとされています。以後、長らくこの工場がStanwellパイプの生産を担ってきました。

しかし2000年代後半、パイプ市場全体の縮小により販売本数が落ち込み、2009年末にBorup工場は閉鎖されました。当時の発表では、1995年に年間12万本を超えていた販売本数が、2008年には6万本台まで落ち込んだとされています。

工場閉鎖後の2010年からは、生産委託先としてイタリアのBarontini社がStanwellパイプの製造を担うようになりました(一部の限定モデルを除く)。運営会社についても、2000年代にはNordisk Tobaks Kompagni A/Sの傘下にあり、その後Scandinavian Tobacco Group(STG)というグループ企業のブランドのひとつになったと伝えられています。

そのため、現在流通しているStanwellのヴィンテージパイプには「デンマーク製」の時代と「イタリア製」以降の時代のものが混在しており、この違いも製造時期を推し量る材料のひとつです。

査定の現場で見ているポイント

Stanwellのパイプを査定する際、当店では主に次のような点を確認しています。

  • シャンクの刻印内容(「Regd. No. 969-48」の有無、「Made in Denmark」「Hand Made」などの表記)
  • ステムに入る「S」のロゴマーク(商標登録後に採用されたとされますが、王冠の有無や書体は時期によって異なるようで、これだけで年代の断定はできません)
  • シェイプナンバーや、作家名の刻印の有無
  • ボウルやシャンクの割れ・欠け、マウスピースの状態
  • 巾着袋やケースなど、付属品の有無

「Regd. No. 969-48」の刻印は、ある時期を境に見られなくなったとされ、1960年代末から70年代初頭ごろが目安として語られることもありますが、あくまで大まかな目安に過ぎません。シリーズや仕様の変遷も複雑なため、刻印だけで製造年代を一律に断定することは難しく、当店でもパイプ全体の仕様や状態を合わせて確認しながら査定しています。

パイプの買取は「パイプのけむり」へ

当店ではパイプ・喫煙具全般の買取を強化中です。Stanwellはもちろん、ダンヒル、ピーターソン、BBB、コモイ、GBD、サビネリなど、メーカー・年代を問わずお受けしています。

パイプ本体だけでなく、パイプツール、スタンドやラック、ケース、たばこ入れ、灰皿、ライターなどのアクセサリー類もあわせて買取対象です。

遠方の方には宅配買取もご案内しています。ご連絡いただければ宅配キットをお送りしますので、段ボールや緩衝材は不要です。査定料・送料・キャンセル料・返送費用はすべて無料で、全国どこからでもご利用いただけます。

お問い合わせは電話(0120-993-275)か公式LINE(@870nrhqv・24時間受付)まで。営業時間は10:00〜22:00、年中無休です。刻印部分の写真をお送りいただければ、おおよその目安をお伝えします。

デンマークの工場から生まれ、時代とともに姿を変えてきたStanwellのパイプ。使われずに眠っているものがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

喫煙具専門買取店 パイプのけむり 長尾

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